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第51回 朝日杯3歳S レース回顧

ある1頭の若駒が公営・笠松の地でデビューを果たした。

'99年の6月のデビュー戦は惜しくも2着に敗れたが、ほぼ1ヵ月後の7月に2戦目でようやく初勝利を挙げて3戦目の特別競走も危なげなく逃げ切り。

次走は金沢へ向かうとここでも2着以下に圧倒的な力の差を見せつけて公営重賞初制覇し、そしてデビューから5戦目はJRAへ遠征、6番人気の低評価ながらスピードの違いであっという間の逃走劇で中央の強豪を撃破し、一躍その年の暮れに行われる朝日杯3歳Sの有力馬にのし上がった馬がいた。

父サクラダイオー、母サクラソフティー(母の父サクラショウリ)という地味な血統ながらサクラの血で固められた"レジェンドハンター"である。

そして8年前の'99年、世間はミレニアムと言われ、ちょうど"2000年問題"が一つの社会現象となっていた頃、第51回の朝日杯3歳Sが行われた。

レースはハナを切ると思われていたレジェンドハンターを抑えてダンツキャストが果敢に先行し、1番人気に推されたレジェンドハンターは2番手からの競馬。
シアトルフレームにラガーレグルスなどが先行集団に取り付いて、中団からはエイシンプレストン、そして後方からはマチカネホクシンなどが続いた。

前半の600mを33.5秒、やや縦長の馬群で中山マイルに良く見られる速いペースでレースは進み、3コーナーを回って残り600mに差し掛かると大歓声の中、馬群は一気に固まり直線の攻防を迎えた。

残り300mを切って満を持してレジェンドテイオーが先頭に立つと後方に待機していた馬も先頭集団を急追、その中から脚色よく抜け出してきたのは同じ黄色い帽子のエイシンプレストンで、外目を突いてマチカネホクシンも追い縋るが先頭争いは前の2頭に絞られた。

最後に迎える急坂を逃げ切ろうとするレジェンドハンター、追い詰めるエイシンプレストン、息詰まる攻防はゴール前でエイシンプレストンの差し脚が優り、先頭でゴールを駆け抜けた。
粘りに粘ったレジェンドハンターは残念ながら半馬身及ばず2着に惜敗した。

しかしながら笠松にレジェンドハンターありという存在感を示した素晴らしいレースであり、その後も地元笠松に所属を続けて翌年以降は地方交流競走の常連として息の長い活躍を続ける。

地元の大将格として、そして東海地区の代表として挑んだ全日本サラブレッドカップでは嬉しい重賞初勝利を挙げ、その後10歳になるまで現役を続けた。

地味な血統そして恵まれた環境とは言えない中で、2歳暮れに瞬く間にトップホースに駆け上がり、その後も長く輝き続けた彼の第二の馬生は、種牡馬という舞台ではなく、南国土佐にある黒潮牧場での余生であった。

移動して暫くの間は悠々自適の毎日であったが、突然彼の身に病魔が襲ったのは先月末のこと。
一時は小康状態を保っていたようだが、体調は急変し12月13日に帰らぬ存在となってしまった。

まだ11歳と若く突然の不幸であったが、関係者の悲しみは深いものであろうと思う。

'99年の11月、淀のターフを鮮やかに逃げ切った姿が今でも目に浮かぶようである。

漆黒の快足馬レジェンドハンターよ、安らかに



レジェンドハンター
父 サクラダイオー
母 サクラソフティー (母の父 サクラショウリ)
戦績 61戦26勝
主な勝ち鞍
'03 全日本サラブレッドC (G3)



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